トンガルマンの制作案件は一風変わったものばかり。
二つとないものづくりの火付け役になるのがディレクター職。そんなトンガッたディレクターが生まれるまでに、どのような成長エピソードがあるのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、大学生時代に自らクイズサークルを立ち上げたディレクターの卵の森田勇馬と、同チームリーダーの丹生谷義隆。
研修の一環として作り上げたのは、なんと自分を表現するwebサイトでした。
個性豊かな二人の話から、一点突破な研修プロジェクトについて共に振り返っていきましょう。
森田勇馬 (もりた ゆうま)
競技クイズのサークルを立ち上げた、教養学部の大学生。
トンガルマンに先行入社し、ディレクターチームのアルバイトとして勤めている。
就活時に様々な業界を受ける中、人に指示を出しながらものづくりをするディレクター職に興味を持つ。
トンガルマンの社名のインパクトに魅力を感じ、入社を決意した。
丹生谷義隆 (にゅうのや よしたか)
トンガルマン株式会社
大阪支社 ディレクターチームマネージャー
弊社代表の水野とダンスを通して繋がりがあり、ご縁あって2019年から外部マネージャーとしてジョイン。
好きな食べ物は豆腐と淡麗グリーン。
目次
いきなりトンガってない…?はじめての創作は「自分」
――はじめに、2人で取り組んだプロジェクトについてのご説明をお願いします。
森田:架空設定の自分を表現した「Yuma Morita Official Site」を制作しました。
自分で作ったクイズをテレビ番組に売るビジネスをフリーランスでしているという設定です。ちなみにクイズは趣味なので本当に作っています。
Yuma Morita Official Site ファーストビュー
丹生谷:森田さんはね、大学でクイズサークルを立ち上げたボスなんですよ。
0から1を立ち上げることも、自分が前に立って好きなことを形にするために進んでいくことも、相当なパワーが必要じゃないですか。森田さんの話を聞いていて、凄い魅力を感じたんですよね。
森田:案件に入る前のディレクター第一歩の課題として、一度自分の好きな「クイズ」を題材にワイヤーを作ってみようかということで、今回のプロジェクトが決まりました。
最終的に、自分がクイズ作家であるという設定のwebサイト「Yuma Morita Official Site」になりました。
――クイズのどんなところが好きなんですか?
森田:努力をすればするほど成果に出るところですね。目に見える結果として表れるのって面白くないですか。
クイズの大会に結構出てるんですけど、部員同士で問題の本を同人誌みたいに出し合って対策の勉強をするんです。やった問題がそのまま大会で出たりすると嬉しくなりますね。
――Yuma Morita Official Siteの制作過程を教えてください。
森田:まず、どこに何を配置するかの骨組みになるワイヤーフレームを練習で作ってみました。その後、作成したワイヤーフレームを元に、同じく新人で入社されるデザイナーさんのチンさんと一緒にwebサイトのデザインを進めることになりました。
大枠の流れはシンプルですが、細かく区切るとサイトマップやディレクトリマップを丹生谷さんにご指導いただいて作るなど、制作過程は色々あります。
Yuma Morita Official Siteサイトマップ
――実際に完成したサイトを見てどう思いましたか?
森田:簡潔に言うなら、「感動」ですね。
自分の作った白黒の骨組みがこんな凄いものになるのかと、実際に自分の目で見てみると胸に来るものがありましたね。
――初めてwebサイトを作ったと思いますが、事前に参考にした資料やサイトなどはありますか?
森田:ファーストビューは、あるメガネの販売会社さんを参考にしました。
レイアウト面は、自分が今まで見てきたwebサイトと、あとは感性でいきました。
その分、フィードバックは重かったんですけど…。
――Yuma Morita Official Siteの肝となる部分はどこですか?
森田:ファーストビューですね。
実際にクイズをやっている写真を背景に、カラーもただモノクロではなくボタンとクエスチョンマークの色を合わせたり、クイズをどんと入れるところなど全て含めて一番思い入れやこだわりがあるし、肝になると思います。
イラストをチンさんに作ってもらいましたしね。
丹生谷:顔の部分を森田さんに変えて、描き起こしてもらったんですよ。
分け目も同じですしね。
森田:伝えたいところに力を注ぐようにとは、丹生谷さんから教えて頂いた大事なことですね。
チンさん作の森田さんイラスト
きちんとサポートするから、まずは自由にやってみよう
――仕事の一連の流れは、どのように研修で習いましたか?
丹生谷:一番最初に、僕が作った”ディレクターとはなんぞや”が書かれている資料を三周くらい読んでもらいましたね。
森田:一番印象だったワードは、「クライアントと連絡を取り続けること」です。
定例会議を設けるという内容で、その時はへぇ~くらいだったんですが、今回実際にやってみて確かに大事だと実感しました。
今回の相手はチンさんでしたが、定期的にコンタクトを取らないと思いもよらない所にデザインが進んでしまうこともあったので、密にコミュニケーションを取ることの大事さを最初に心に叩き込めましたね。
案件について書かれた資料の情報を、相手も同じように解釈してるとは限らないですしね。
――他の役職の方との進め方についても研修があったんですか?
丹生谷:最初にワイヤーフレーム初お披露目という形でプレゼン会をしたんですけど、チンさんを含むデザイナーさんたちから、それはもうおびただしい数のチェックバックが来たんですよ。
指摘してもらった部分を4~5回直してやっとOKが出た段階で、チンさんと二人でやってみようと指示を出しました。
――自分の作ったものに大勢の人が意見してくる経験なんてなかったと思いますが、この時どう感じましたか?
森田:まず、心が折れましたね…ぐいぐい意見を言われて、いきなり谷に突き落とされるよとは事前に聞いていた気がしますが。丹生谷さんのチェックバックが終わった段階で完成だと思っていたので、その後の尋常じゃないフィードバックに面食らいました。
デザイナーから見た正しさとディレクターから見た正しさは違うこともありますし、複数人の意見を全て叶えながら走らねばならないという意味ではクイズマラソンに近いものを感じますね。
クイズは1+1=2のように決められた答えが求められますが、ワイヤーの作成は答えがひとつではないので、実体のないものを作っている感があり大変でした。
――それは確かにきついですね…具体的には、どのような大変さがあったんですか?
森田:デザイナーのAとB二人の先輩の意見が食い違ってまさに板挟みになった時があって、どちらの先輩の意見を反映させればいいのかとなった時が一番大変でした。
結果、自分の作ったワイヤーと同じ意向だったAの先輩の意見を選ばせてもらいました。
これは自分の反省点に繋がるんですけど、おそらく意図を説明しきれてなかったと思うんですよね。だから食い違ってしまったのかなと。
クイズって自己反省をしやすくて、その反省を受けて次の対策も立てやすいんです。その経験があったので、今回のプロセスも解決できたのかなと思います。
――自分の反省として振り返ることができたから、Bの先輩を下げることもなく無事に進められたんですね!
丹生谷: ディレクターの仕事って、ある程度は相手の意見を反映しつつ自分で指針を立てて引っ張っていかなければいけないんですよ。
だから、最終的に森田さんが決断しなければあかんでとはワイヤーフレームの時に説明しましたね。
――突き落とされても、そこから這い上がってくるのは凄いことだと思うのですが、何か大きな原動力になる物があったんですか?
森田:途中すごく悩んで丹生谷さんに相談したこともありましたね、これほんとどうしようって。
でも、ディレクターやデザイナーの先輩方が真剣にアドバイスをくれたことが這い上がるためのモチベーションになりました。ここまで自分が作った物をきちんと見てくれるのなら、自分もそれに応えなければと思いましたね。
デキるディレクターに必要なのは「互いのテンションを揃える」こと
森田:進め方の大枠となる部分は一通り習いましたが、後は実際に二人で話し合って進めてみようという感じでした。
チンさんが自主的にやってくれたことを却下しなければならない時があったんですが、その時は本当に言い方には気を付けましたね。「このデザインも良いんですが、こっちの僕の方針で進めてもらえるとありがたいです」みたいに。
ちょっとした方向性の違いはあったものの、大きなトラブルになるようなことは防げたのかなと思います。
――…とても新人さんとは思えない、修羅場を潜り抜けてきた人のようですね。
丹生谷さんの入れ知恵はそこにはあったんですか?
丹生谷:そこまではないですよ!笑
僕が入ると僕が喋ることになっちゃうんで、基本森田さん言ってきて~って感じにしているんですよ。
森田:クイズサークルでも、今回みたいな状況はよくあったんです。
サークル内で大きな大会をやろうとなったときに、時には部員が作ってくれたクイズに修正やダメ出しをしないといけない時もあるので、言い方に工夫することは何度もしていました。
――丹生谷さんは、今回森田さんをどう評価しますか?
丹生谷: 今回のプロジェクトを進めていて、チンさんにうまく伝えられていないような温度感を感じた時があったんですよ。でもあるタイミングでテンションがぴったり合って、そこからプロジェクトが一気に進んでいったように見えました。ロゴマークを作ってる時だったかな。
Yuma Morita Official Siteロゴ
森田:はい。このロゴ、早押しボタンをモチーフにしたものなんですが、出来た時にすごく感動したんですよね。
早押しボタンとは何かなどを事前に説明してはいたんですが、チンさんの方で噛み砕けてなかったみたいで、これもしかして僕の情報共有が足りていなかったのでは…?って思ったんです。
そこで、サイトの設定だけではなくクイズに関する情報や情熱をわーって共有したら、チンさんも「これ面白いですね!」ってなった瞬間があったんです。
そこで二人のテンションが揃った感じがしました。
丹生谷:僕が森田さんに伝えたのは、社外のクライアントから社内のプロジェクトメンバーまで、関わる人のテンションを合わせることが大事だよねということでした。
プロジェクトを実施する理由や背景、ゴール、想いも共有することで、デザイナーさんも決められたものを作るだけではなく、「それなら、こんなデザインはどうですか!」と気持ちが乗ってくると思うんですよ。
「連絡を取り続けること」の大事さを、先ほど森田さん話してくれましたよね。
文章ベースだと感情が伝わりきらないこともあるので、タイミング合わせて直接話すことも重要だと考えています。その大事な役目を、ディレクターが仕切ってやるんだよってことですね。
今回の取り組みでは実際に、チンさんは森田さんのクイズへの熱い想いを共有されることで、テンションが上がった場面があったので「ナイス!」と思いました。
好きなものを作って人に伝えることは面白い
――丹生谷さんは今回の研修プロジェクトに、どのような想いを込めていたんですか?
丹生谷:ディレクターはとにかくね、トップスピードでワイヤーとか出せなあかんということで、元はツールの導入でXdとFigmaどっちやってみる?って話をしていたんです。
そこから、一度ワイヤーを作ってみることになったんですが、どうせ作るならテンション上がるものの方がいいじゃん、チンさん入社するしロゴも作っちゃえよ!ってどんどん大きく発展してったって感じですね。
自分が好きなものを作って人に伝えることの面白さを、まずは経験させてあげることができたなら良かったのかなと思っています。
――トンガルマン式に未経験の人に仕事を覚えてもらうためには、まず自由にやらせてみて、そこから調整していく、という感じですか?
丹生谷:そうですね。一から十まで逐一教えることもできますが、それだと森田さんは、僕が書いた○をそのままなぞっていくことしかできないですよね。
かなりぶん投げた指示だとは思いますが、粗くても良いから一度自分で出してみるってことを意識してやらせていましたね。
トンガルマンって、未知の案件が多いじゃないですか。
調べる癖付けないと後でまじできつくなるから、まずはとにかく情報を出してみることが出来るのかどうかのトレーニングを最初に経験してもらいました。本人には直接言ってなかったですけど。
今後いきなりやれと言われても身につくものではないし、一番最初に出来るような教育体制がうちでは大事なのかなと思いますね。
――森田さんはその時、辛いけどとにかく付いていったんですか?
森田:結構粗いなと正直感じましたが、僕の中で「辛い」と「大変」は別物だと考えています。
分からないことを手探りで追及することは大変でしたが、辛くは感じなかったですね。
――このプロジェクトはこれで完結ですか?
森田:第一章は完という感じですが、二章三章…と続けられることは沢山あります。
まずは実際にこのサイトを公開してから、Google Analyticsという統計ツールを使ってYuma Morita Official Siteにどれだけの人がアクセスしどんなアクションをしたか測ってみたり、サーバー周り等ディレクター業務で使う実際のツールを練習する予定です。
あとはペルソナ設定の練習や、このサイトのコーディングですね。
丹生谷:大変だとは思いますが、色々な課題をやりつつもコーディングをやるのが早いと思いますね。コーディングはディレクターと関わる全員との共通言語なので。
参考書を読んでるだけじゃ分からないだろうし実際にやってみろってことで、僕が森田さんのトレーニング道場をサーバーに作ったわけですよ。0から設定して、今日丁度イベントクリックの通知がいくところまで進んだし、次はサーチコンソールもやる感じですね。
あとこの間、社外の方をお呼びしてUX勉強会を受講したんですが、森田さんはペルソナ設定にとても興味を持ったんですよね。だから次は、Yuma Morita Official Siteをリニューアルする体でペルソナを作ってみたら?って話をしています。
――今回の記事は、新人や未経験者の人に向けた記事ですが、そんな人たちにアドバイスをいただけないでしょうか。
森田:トンガルマンは安心してチャレンジすることができる環境だと思います。困った時には、みんな手を差し伸べてくれるので。
長文でアドバイスを下さったデザイナーの先輩もいましたし、丹生谷さんもお忙しい中で時間をさいて下さいました。
入社してからも、ある程度の負荷はもちろんあると思いますが、きちんと学べて成長できる土壌があるので、未経験であることをマイナスに捉え過ぎなくてもいいのではないかと思います。
――最後に、トンガったクイズを読者の皆さんにお願いします!
森田:せっかくなので、お気に入りを何問か出しますね。
見た人がわかって嬉しいと思える問題や、僕の自信作と思える問題を選んでみましたのでやってみてください。
<問題>
1.作曲家・ベートーヴェンの生誕地でもある、かつては西ドイツの首都にもなった都市はどこでしょう?
(A)バン (B)ボン (C)ドカン (D)ガシャン
2.次のうち、古語で「右手」を表す言葉はどれでしょう?
(A)まて (B)みて (C)むて (D)めて
3.消しゴム付き鉛筆にとりつけられる、消しゴムと鉛筆をつなぐ金具のことを何というでしょう?
4.人が感じる時間の長さは、年を取れば取るほど短くなるという法則を、フランスの哲学者の名から何の法則というでしょう?
5.かつて存在した満州国の国技になっていた、意外なスポーツは何でしょう?
6.石垣綾子の手記「オリーブの墓標」に彼の生涯が描かれている、日本人で唯一スペイン内戦に参戦したとされている人物は誰でしょう?
<解答>
1.(B)ボン
2.(D)めて
※馬に乗るときに手綱を持つ手→馬手→めて
3.フェルール
4.ジャネーの法則
5.サッカー
6.ジャック白井
――ありがとうございました!
トンガルマンには他にもこんなメンバーがいます!
トンガルマン採用サイト